人間ドックについて

その他の事項について

人間ドックについての質問集

はじめに

このコーナーは、読者、勤務先の受診者などからの人間ドックについてのQ&Aのうち、その他の事項についてのものです。

質問リスト

  1. 人間ドックで再検査の指示がなかったのでほうっておいたら、10ヶ月後ガンでなくなった、という話を聞きました。その後、裁判になったそうですがその中に、人間ドックにおける受診者の期待権と言う言葉が出てきました。どういう事なのか詳しく教えてください。(1999/1/15) →問1の答え
  2. ”人間ドッグ”と”人間ドック”のどちらが正しいのですか?私は、船を修理する場所”ドッグ”からきたと思いますが。正しい語源は何でしょうか? (1999/11/19) →問2の答え
  3. 人間ドックの受診経歴により私的生命保険料をダウンさせる事についてどう御考えでしょうか。(2000/9/27) →問3の答え
  4. 健診と人間ドックの違い、位置づけについて教えていただきたいです。やはり健診に人間ドックは含まれるのでしょうか? (2003/12/23) →問4の答え

Q&A

1番目の質問

問い

人間ドックで再検査の指示がなかったのでほうっておいたら、10ヶ月後ガンでなくなった、という話を聞きました。その後、裁判になったそうですがその中に、人間ドックにおける受診者の期待権と言う言葉が出てきました。どういう事なのか詳しく教えてください。

答え

ご質問の件ですが、この分野では専門家ではありませんので、誤った解釈をしているかもしれませんことをお断りしておきます。不正確な点や誤りがありましたらご指摘ください。

受診者の期待権と言うことですが、ここでは延命期待権という意味に解釈します。

人間ドックで明白な癌の明白な見逃しがあったとします。早期治療で必ずしも助かるとはいえない場合でも、患者にはその時点の医療水準で最も適切な治療によって救命を期待する権利がある、と考えます。期待する、というのが微妙なところで、実際に救命できるかどうか、あるいは救命できたかどうかではありません。救命期待権、といわれる所以です。この場合は見逃しによって臨床家の門を叩くことさえ出来なかったわけですから、この権利を侵害した、と考えることができるわけです。適切に診断されて、その結果が駄目でも仕方ないが、診てもらうことさえ出来なかった、これは…!ということです。具体的な判例がどのくらいあるのかは知りません。

なお、私のこのコメントはあくまで参考程度にとどめ、具体的な事例が発生した場合は、専門の弁護士などにご相談してください。

先頭の質問リストへ] [Q&A目次ページへ

2番目の質問

問い

”人間ドッグ”と”人間ドック”のどちらが正しいのですか?私は、船を修理する場所”ドッグ”からきたと思いますが。正しい語源は何でしょうか?

答え

人間ドックが出来た際には、当事者はこの呼称を余り歓迎しなかったそうですが、マスコミが船のドックになぞらえて「人間ドック」の呼称を一般に広めたと聞いています。なお、船のドックはdockですので濁音にならないのが正当です。

現在では「人間ドック」の呼称は公式に認められたもので、Human Dry Dockという英訳も使われています。なお、dry dockとは、船のドックのうち、水を追い出して乾いた状態で船を修理できる構造のドックの事を言います。

先頭の質問リストへ] [Q&A目次ページへ

3番目の質問

問い

人間ドックの受診経歴により私的生命保険料をダウンさせる事についてどう御考えでしょうか。

答え

本質的には喫煙をしない人に保険料を安くするのと発想は変わらないと思います。生命保険に関してはそうした動きには規制は出来ないと思います。ただ、人間ドックにそこまでの効果があるのかははっきり言って分かりません。

こうした面で人間ドックの経済効果が研究されたり評価されたりするのはもはや止められないと思います。損保も生保も外資の発想が入ればもっと過激な(?)商品が出ることでしょう。

良い結果がでて「健診無用論」や「フィンランド症候群」に対する反論になるかもしれませんが、「経済効果なし」などと言う結果が出てこないか、少し心配なところがあります。

先頭の質問リストへ] [Q&A目次ページへ

4番目の質問

問い

健診と人間ドックの違い、位置づけについて教えていただきたいです。やはり健診に人間ドックは含まれるのでしょうか?

答え

健康診断の中で、ある程度以上の内容を持ち、特に癌や生活習慣病に関連した項目の検査が多く、医師や保健師や看護師による結果の説明や指導が行われるタイプのものを、船の修理に使うドックに例えて「人間ドック」と言っています。

先頭の質問リストへ] [Q&A目次ページへ