「香雪ジャーナル」(id:yukattiさん)に「ゲマインシャフトとゲゼルシャフトからはてなを考える」という一連の「はてな」についての考察記事があります。いきなり引用文で申し訳ないのですが、
はてなは根本を絶対変えない。だから「(運営側から見てシステムが衰退の方向に)落ちない」ために逆に「馴染めないユーザーや疲れたユーザーは落とす(落ちる)」。そして「新規参入が絶え間なく続く」から、新陳代謝が有効に機能しているところはあると思う。新規参入を増やすために魅力的な機能を投入して使いやすくする努力は続けられているし、今いるユーザーに対しては毎週びっくりさせる機能を投入しつづけてツールとして飽きさせず日々新たに思わせるし、そしてはてなのやり口に馴染めないユーザーはやめてゆく。それだけじゃなく、熱心なユーザーが燃え尽きてやめていくことも運営側は見越しているとは思う。
「ゲマインシャフトとゲゼルシャフトからはてなを考える」 より
この指摘は重いです。自分自身疲れたユーザーだと言う自覚があるだけに、じつに重く感じます。
ところで、はてなが1ユーザー単一ID制にこだわる理由についても指摘があります。
個人の活動を同一ID下に蓄積しそれを信頼のためのキーとして相手に開示させるやり方でゲマインシャフトなシステムを作ろうとしているはてなという道筋で考えたら別IDが受け入れられない(以下略)
「ゲマインシャフトとゲゼルシャフトからはてなを考える」 より
以上の指摘もその通りだと思います。余談ですが、はてなスタッフ側が住所登録問題を提案した当初あまりシリアスな問題と考えていなかったのも、1ユーザー単一ID制の元では匿名性はいずれ剥がれていくものと考えていたからだと思っています。
そんなはてなのサービスを利用するのは大変に疲れる行為です。元々ブログでは実名を晒すべきと考えている私でも相当に疲れます。長い時間が経過するほどに自分の暗部や未完成な部分まで透けて見えてきて、誤魔化しが効かなくなる*1からです。
しかし、私が心理的ストレスを感じながらもはてなを未だに止めずにここに居るのは、やはりはてなのコミュニティに存在するゲマインシャフト的((ゲマインシャフト的:コアユーザーの皆さん方のはてなに対する態度はやはり共同体の成員としてのそれのように感じられます。))な部分に魅力を感じているのでしょうね。だから不完全な自分を晒して顰蹙を買う危険を犯してまではてなを使い続けるわけです。
それにしても、ゲマインシャフトやゲゼルシャフトなんて言葉、大学の社会学の講義で聞いて以来ですから、25年ぶりです。いかに医者の世界が教養と縁遠いか(自分だけかも)を改めて実感しています。
*1 誤魔化しが効かなくなる:例えば、柏木楓萌えとかアルトルージュ萌えとか日記に書いたら、その時点で趣味嗜好はバレバレになりますね。そういうことが積み重なっていくわけです。