「日韓関係が良好とする人が13%増」の不思議

少し古い話になるが、読売新聞と韓国日報が共同で行った世論調査の結果が6月10日付の読売新聞に出ていた(読売新聞のサイトからはすでに消されている)が、韓国側の「90%に対日不信」との結果は当然予想されたものであるのに対し、日本側の「日韓関係が良好とする人が13%増」という結果には極めて驚いた。

韓国が初等教育の場でも反日感情をどのくらい煽っているかは、「韓流★通信  〜誰も書かない韓流情報〜」の6月15日付のエントリー「衝撃画像!!!必見!  ちびっこ絵画展覧会  in韓国」を見れば明らかである。こんなものを公共の場で堂々と張り出せるということは、公教育の場でも対日攻撃が正当化されているということであり、どう考えても近い将来の対日戦争を前提とした教育を行っているとしか思えない。

これに限らず、韓国は最近反日攻勢を強めているが、その背景には韓国が米国との同盟から離反し、中国への接近を強めていることがあげられる。近年の国際情勢は「日・米・豪」対「中・露」の対立軸*1で動いており、韓国は中国の書いたシナリオに乗って居るのが現状である。その背景には石油高騰で 重要性を増す一方の原油産出地域である中東・カスピ海地域の覇権争いがある(「国際戦略コラム」の 「1948.中露と米国の激突」参照)と思われる。

このままでは韓国空軍が中国の同盟軍として日本を空爆する、という事態さえ起こりかねないという意見も(極論とはいえ)ある中、どうして「日韓関係が良好」などといえるのか、不思議でならない。

私が思いついた要因としては、

  • いわゆるディジタル・ディバイドにより、ネットワーク利用層とそうでないものの意識が乖離している(中国・韓国に不利なニュースや意見はマスコミには出てこない)のではないか。
  • 読売新聞が世論誘導を目的として、恣意的で不適切なやり方で世論調査を行ったのかも知れない。
  • 調査のやり方に問題があって、調査結果にバイアスがかかったのではないか。
  • 韓国と先鋭的に対立する現状こそが正しい日韓関係である、との有権者の皮肉に満ちたメッセージだった。

と言ったところである。

しかし、独特なユーモアセンスを持つイギリス人ならともかく、日本人が最後のパターンのような皮肉な回答をするとは思えないので、やはり1番目が正解に近いのだろう。韓流ブームばかり取り上げて、日韓の外交問題は取り上げないマスコミはどこかの国にオペレーションされては居ないか、大変不安である。


*1 欧州の大国は英国が米国寄り、独・仏が中国寄りであり、これらの国を加えると、海洋国家と大陸国家の対立という構図になっているのは興味深い。