人口集中地区を持つ町村、持たない市

人口集中地区という概念がある。総務省のウェブサイトによれば、「人口集中地区は、統計データに基づいて一定の基準により都市的地域を定めたもの」とのこと。その基準は、

人口集中地区の設定に当たっては、国勢調査基本単位区及び基本単位区内に複数の調査区がある場合は調査区(以下「基本単位区等」という。)を基礎単位として、1)原則として人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、2)それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有するこの地域を「人口集中地区」とした。
 なお、人口集中地区は「都市的地域」を表す観点から、学校・研究所・神社・仏閣・運動場等の文教レクリエーション施設、工場・倉庫・事務所等の産業施設、官公庁・病院・療養所等の公共及び社会福祉施設のある基本単位区等で、それらの施設の面積を除いた残りの区域に人口が密集している基本単位区等又はそれらの施設の面積が2分の1以上占める基本単位区等が上記1)の基本単位区等に隣接している場合には、上記1)を構成する地域に含めた。

統計局ホームページ/人口集中地区とは」より

とのことである。

つまり、郡部であっても人口集中地区を有する、小都市といってよい町村がある一方で、人口集中地区を持たない、都市とは言い難い市もあることになる。

千葉県の場合、令和2年の国勢調査の結果、人口集中地区を有するとされた町村は印旛郡酒々井町と印旛郡栄町の2町のようである。一方、人口集中地区がないとされた市は匝瑳市、山武市、いすみ市、勝浦市、鴨川市、南房総市の6市あるようだ。酒々井町や栄町のほうがいすみ市よりはより都市的であるということになる。実際に栄町の安食には小さいながらもかなり稠密な市街地が形成されているから、納得は出来る。

なお、千葉県では浦安市が唯一、全域が人口集中地区である。政令指定都市である千葉市でも成し得ない快挙? である。ちなみに、千葉市で全域が人口集中地区なのは美浜区だけであった。

都市である町村と都市ではない市、他の県にもきっとあるに違いない。