介護保険の要介護認定は身体障碍が基本になっているためか、元気な認知症患者、整形外科以外の患者の要介護認定では時々ビックリするような判定が出てしまっている。「内科(内蔵)疾患の要介護認定について」というウェブページ(平成13年4月24日付け)には「全盲で脳梗塞(こうそく)の症状があるのに『自立』判定された」例が紹介されているが、こうした例は少なくないと感じる。
65歳以上の場合は特定疾患の有無にかかわらず、「継続して、常時介護を要すると見込まれる状態」であれば介護保険による給付の対象になるはずであり、問題はその程度の認定ということになる。実際に心不全だけであっても問題なく認定されている人もあり、内科疾患だけだから介護認定が受けられないということではない。
しかし、主治医意見書や一次判定のソフトの作りは内科的内臓疾患にはうまく適応できていないのも事実と感じる。先ほどの「内科(内蔵)疾患の要介護認定について」というウェブページには日常生活の制限による分類を考慮すべきとの提言がなされていて、それを要約すると次表のようになる。
日常生活の制限 | 身障者の予測等級 | 要介護度予測 |
家庭内での普通の日常生活活動又は社会での極めて温和な日常生活活動については支障がなく、それ以上の活動でも著しく制限されることがないもの | 非該当 | 非該当 |
家庭内での普通の日常生活活動又は社会での極めて温和な日常生活活動には支障がないが、それ以上の活動は著しく制限されるもの | 4級相当 | 要支援 |
家庭内での極めて温和な日常生活活動には支障がないがそれ以上の活動は著しく制限されるもの | 3級相当 | 要介護1 |
自己の身辺の日常生活活動を著しく制限されるもの | 1級相当 | 要介護2~3 |
おおむね妥当だと感じる。さすがに寝たきりともなれば現行でも要介護4~5は出ているので、在宅の比較的軽症の患者に限られるが、参考にはなる。