今でもフラットタックスは魅力的な選択肢

今では考えられないことだが、昔小沢一郎氏が「日本には10%の税率以外は要らない。所得税も、消費税も、法人税も何もかも10%でいい。」というような主張をしていた時期があったように記憶している。いわゆるフラットタックスだが、今では流石に何もかも10%というわけには行かず、単一税率で行くなら18%くらいになるような気がする。

ロシアで所得税を13%の単一税率にしたら、富裕層にとって節税や脱税に血道を上げるのが馬鹿らしくなり、ちゃんと申告して信用状態の評価を上げることを考えるようになって所得税収が大幅にアップしたという。

節税や脱税があほらしくなり、海外移住も面倒になり、小細工するのが面倒だから正直に申告しようという状態を実現するには、今でもフラットタックスは魅力的な選択肢に見える。建前が立派でも制度が複雑で抜け道をうまく探した人が得をするという税制はどこかおかしい。税理士という職業が成り立たなくなるくらいに単純な税制が実現しないものだろうか。

もし低所得者に対する配慮が必要なら、基礎控除を200万円くらいにして他の控除を一切認めないようにすれば良いだろう。控除した結果がマイナスになったら、マイナスの課税所得に単一税率で課税してマイナスの徴税をすればよい。実際にはマイナスの徴税=プラスの還付なので、これは負の所得税そのものである。

そうはいっても、超過累進課税こそ公平で正しい課税の仕方だと信じている人が多いので、実際の実現可能性はたぶんゼロだろう。しかし、金持ちにもっと課税しろと言っている間は、当の金持ち連中は血眼になって課税回避策を探して実行するだけなのだが。