現存十二天守コンプリート

現存天守としては弘前、松本、丸岡、犬山、彦根、姫路、松江、備中松山、丸亀、松山、宇和島、高知の十二城が現在残っています。これら現存十二天守のうち東の方にある弘前、丸岡、犬山の三城だけこれまで未訪問でした。今回、2009年11月1日から2日にかけての二日間でこの三城をまとめて訪問して参りました。

行程ですが、はやて7号・つがる7号‐(弘前)‐日本海‐(福井‐丸岡間京福バス)‐しらさぎ8号・ひかり518号‐(名古屋‐犬山間名鉄)‐のぞみ132号という乗り継ぎで横浜から横浜まで一周してきました。乗車券ですが、同じ横浜市内発着の片道切符で横浜駅から東海道線でスタートし新幹線経由でゴールなので、普通に考えると東神奈川で経路がぶつかってしまいます。選択乗車の特例を前提に小田原からは在来線経由を指定して着駅を横浜にすることも出来るのですが、どちらにしてもこういうときは発駅も着駅もともに単駅指定になるのかと思ったら、出て来た乗車券には発駅も着駅も横浜市内とあってちょっと肩透かしを食らいました。これだとややこしいことは何も考えずに済みます。

現地の感想

弘前城は桜の名所ですが、紅葉の季節も良いものです。楓の紅葉の発色が綺麗でした。ちょうど菊と紅葉祭りのイベント開催中で、演舞の音が喧しかったのですが、雨にたたられてそれでも盛り上がるのが津軽なのかと。天守そのものは櫓の名目で再建されたものだけに小ぶりな感じがしました。むしろ、城址が公園としてよく整備されているのが印象的です。

丸岡城はJRの駅から離れていて、ちょっと訪問しにくい場所になっています。バスで行くと福井駅から640円かかります(2009年11月現在)。平山城と言いながら、城山は低く、規模も小さいですが、ここの天守の特徴は古い様式を良く保っていることでしょう。建築年代が現存天守の中で最古なのかどうかは微妙ですが、質素な感じがして好ましく感じます。内部は意外と採光が良く、逆に守備力はどうなのかな、と思ってしまうくらいです。なお、この天守は1948年の福井地震で倒壊してしまったものを古い部材を可能な限り使用して1955年に再建したものだそうで、現存天守とすることに異論もあるそうですが、修理と再建なら他にも例があり、潰れたものを組み直しただけなので問題はないと思います。

犬山城はこの中ではおそらく知名度が一番あるでしょう。城下が観光化されているのに眉をひそめる向きもあろうかと思いますが、休日の谷間の平日で時刻が遅かったこともあって人出が少なく、観光客の多さはそれほど気になりませんでした。天守そのものは中規模だと思いますが、均整の取れた外観に加えて木曽川を望む眺望は目を見張るものがあり、国宝に改めて指定されているのも納得がいくものでした。

これで現存十二天守すべてを回ったことになりますが、訪問当時(伊予)松山城だけ修理中でしたので、いずれ再訪しなければならないと思っています。