数学は理系の学問なんだろうか?

よく自分は文系だから数学はからっきしとか、理系だから数学と物理以外は駄目、とか仰る方が居ますが、私としてはそれらの言辞に違和感を感じてしまいます。

理系科目というとMath, Science and Technologyと言うことになりますが、数学は他の二つとかなり毛色が違って、事実はともかくとして論理的に証明されれば構わない、という学問で、理工学部よりも哲学科の方が似合っている学問だと思います。極論すれば、「曲がった直線」とか、「黄色い馬」といった命題でも、証明されればそれでよし、そんなものが実在するかどうかには興味も関心も無い、というのが数学と言う学問ではないでしょうか。

どうしてそういうことにこだわるのかと言うと、私も理科は出来ましたが数学では苦戦続きで、国語と理科で大学に入ったようなものでした。数学で要求される抽象的かつ論理的な思考というのが苦手で、実際どうなのかと言う実体(実験結果)がないと腑に落ちない方だったのです。その点、理科の科目である物理、化学、生物、地学のどれもが自然科学と名乗るだけあって演繹的ではなく帰納的な学問で、哲学以外の他の文系科目に近いものがあると思っています。

ですから、数学が出来る人って哲学者みたいで頭の構造がすごい、と思ってしまいます。逆に、物理学者が和歌や古典に造詣が深くても驚きません。寺田寅彦先生と言う前例もあることですし。