「日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007」と銘打った一連の演奏会が2007年11月3日より日比谷公会堂で行われており、すでに2回の演奏会が終了しました。すでに終了した分も含めて全8回の演奏会は、
- 2007年11月3日
- 交響曲第1番、第2番、第3番
- 2007年11月4日
- 交響曲第5番、第6番
- 2007年11月10日
- 交響曲第7番
- 2007年11月11日
- 交響曲第10番、第13番
- 2007年11月18日
- 交響曲第9番、第14番
- 2007年12月1日
- 交響曲第4番
- 2007年12月5日
- 交響曲第11番、第12番
- 2007年12月9日
- 交響曲第8番、第15番
となっています。
この壮大なプロジェクトの発案者でもあり音楽監督になっております指揮者の井上道義氏の公式ウェブサイトに、「~ショスタコ交響曲全曲演奏プロジェクト・井上道義を追う~【4】」という記事がありますが、その中で井上氏は、
でもショスタコーヴィチ・イヤーだった06年になっても、みんな意外とショスタコーヴィチを演奏しなかったんですよ。なぜやらないんだろう?
井上道義氏の公式ウェブサイト「~ショスタコ交響曲全曲演奏プロジェクト・井上道義を追う~【4】」 より
こんないい作品が色々あるのに……となると逆に僕の血が騒ぎ始めた(笑)。
と述べています。確かに例年より多いとはいえ、昨年のショスタコーヴィチの演奏会の数には欲求不満があり、不完全燃焼感の残る年でした。その上、ただでさえ少ないコンサートの日に仕事が入ることも多く、聴き逃した公演も多かったのです。そこにこのような短期間で全曲演奏、という企画ですから、とにかく狂喜乱舞。しかも、土日の公演を繰り返すパターンで、非常に行きやすい上、1回当たり3,000円という太っ腹な料金設定。これは全曲制覇するしかない! と意気込んだのは当然の成り行きでしょう。
というわけで、一昨日と昨日は二日連続で日比谷公会堂に行ってきました。この建物は往年のクラシックコンサートのメッカとも言うべき存在でしたが、覚悟はしていましたが老朽化が著しく、座席もくたびれているだけならまだしも、通勤電車並みのシート幅の狭さ。隣人が気になっていまいちコンサートに集中できない状態でした。もし改修工事をするのなら、定員を減らしてでも改善を望むところです。
音響面でもほとんどエフェクトが効かないのですが、こちらはサンクトペテルブルク交響楽団の力演でかえって好ましく感じられました。良くも悪くも素の音が聴ける、とも言えます。よく考えれば、ヨーロッパにはこれより古い、もっと音響効果から言えば問題のあるホールもたくさんあるはずです。それでも聴かせる、さすがはショスタコーヴィッチゆかりの地のオーケストラです。
次の公演は第7番の「レニングラード」。ロシアの、しかも当地のオーケストラであるサンクトペテルブルク交響楽団にこの曲に対する思い入れが無いはずがありません。きっとすばらしい演奏を聴かせてくれることでしょう。