オーケストラ・ダスビダーニャ第13回定期演奏会

昨日(2006年3月19日)、東京芸術劇場で行われましたオーケストラ・ダスビダーニャの第13回定期演奏会に行ってまいりました。演目はすべてショスタコーヴィチの曲で、

  • 劇音楽「ハムレット」による組曲 作品32a
  • ピアノ協奏曲第2番 作品102
  • 交響曲第8番 作品65

でした。

単に上手いだけではなく、力のこもったいい演奏だったと思います。それに、ショスタコーヴィチを演奏したくて演奏していると言うのが良く分かります。好きでやっているのが伝わってくるから聴いていて楽しい演奏でした。

交響曲第8番ですが、最近この曲が取り上げられることが急に増えた気がします。犯罪の増加、大事故の頻発、近隣諸国(中華人民共和国!)の軍拡やらで不安と動乱の予感が支配する世相に良く合っているからでしょうか。時代背景を抜きにしては語れない、ある意味で「戦争交響曲」でもあります。当時のソヴィエト当局が期待したような華々しい終わり方をしなかったことで色々言われたようですが、この独特の終わり方はこれで良いのだと思います。ベートーヴェンの第5交響曲のようなフィナーレで終わったら、かえって白々しいと思いませんか?

今回の公演は演奏会として十分楽しめました。毎年の定期公演を楽しみにしているファンが多いというのもうなづけます。