はてなダイアリー日記の方にも背景説明(https://diary.hatenastaff.com/entries/2004/11/03)がアップされました。
重要な部分だけ抜粋しますと、
はてなでは、被害者の方々からお問い合わせを受ける度ごとに、被害者と日記作者との間を調整し、場合によっては日記のプライベート化等の措置を講じてまいりました。また、こうした事例が増加する中で、今後も本当にそれだけで済むのかという検討を行ってまいりました。検討を進めるにあたって法律専門家にも相談を行う中で、違法な日記の作者を特定できないようにしておくことが、ユーザーによる違法行為を教唆・幇助したとして、あるいは違法行為を犯した張本人として、法的責任を追及されるおそれがあることが分かりました。
はてなダイアリー日記より
第一点。これまでも、はてなはやるべきことはやって来たのであり、一方的に被害申立て人の方ばかりに加担するようなことはしていなかったということ。
第二点。言論の自由は匿名性の自由ではありません。
第三点。ユーザーの匿名性の確保に対するはてな側のリスクも高くなっているに違いありません。
こうした中で、はてなにユーザーの匿名性の盾になれというのは酷ですし、現在の流れから行けば、ユーザーを同定できる情報をホスティングサービスが持たずに居ることさえ(現在はそうでなくとも)いずれ不作為の責を問われるのでは、と思います。 以上により、はてなの判断は当然または止むを得ないものだと思います。
この判断を行う際、「ファイルローグ」裁判*1の判決なども参考にしております。この判決では、サービス提供者が著作権侵害行為が想像できたにもかかわらず、利用者の確認を怠ったとされております。
はてなダイアリー日記より
事後確認でも良いではないか、という意見も当然ありですが、この際に求められるユーザー確認のレベルは郵便物が確実に届くレベルだと思います。事前に分かっているのがメールアドレスだけでは駄目、となったから今回の要請に至ったものと思われます。
ブログサービスのユーザーが匿名性を享受できた時代は去りつつあるということでしょうし、そもそも完全な匿名性などというものはあり得ない話だと思いませんか?
追記
これが病院であれば、病院を受診したこと自体がセンシティブ情報なので、誰かが入院しているかどうかの問い合わせには「一切お答えできません。」というのが唯一可能な答えになります。はてなのユーザーであることがそういうセンシティブな情報になってしまう人が居ることは理解できます。しかし、そういう人が居るからと言って住所を把握しないでいて、はてなが不作為の責を負わされるのも困る、とはてなは言っているわけです。
要はいざと言う時のために連絡先と本人の実在性が担保されれば良いのですから、そういう事情のある人のために連絡先、本人の実在性、本人の応答を仲介する機関があって、事情のある人はそういう機関の連絡先の住所を登録するようにすれば良いのかな、とも思います。法人を作って電話応答サービスを利用するような発想ですが。
追記2
住所登録の期限が1ヶ月延長になったようです(https://diary.hatenastaff.com/entries/2004/11/04)。この辺のもたつきが、はてならしいと言うか、何と言うか……。