「みどりの日」は昭和天皇の「天皇誕生日」で、生物学者で自然を愛した(植樹祭を熱心に執り行うなど、国土緑化にも熱心だった)昭和天皇を偲ぶための日だそうです。しかし、昭和天皇のことが祝日法に記載されなかったこともあり、いかにも分かりにくい命名です。ちなみに、「文化の日」は元の「明治節」ですが、こちらはさらに分かりにくくなっています。
4月29日に昭和天皇を記念し、11月3日に明治天皇を記念すると明言するのは、未だに政治的には正しくない行為のようですが、日本の歴史上大きな位置を占める明治と昭和という時代を記念する日がこのような形になっているのはやはりおかしなことと考えます。国民の祝日の名称とその意味は誰にでも分かる簡明直截なものでなくては、その日をお祝いする気にはとてもなれません。単に休日を増やしたいのなら、意味のはっきりしないあいまいな祝日を増やすのでなく、労働基準法第39条を改正してILO第132号条約*1を批准すればよいのです。
日本が君主制国家*2なのも、天皇陛下が国家元首として機能しているのも対外的には常識ですし、そのような認識が国民にも定着しているのですから、もうそろそろ本来の意味を表に出しても良い頃だと思います。その意味で、「みどりの日」を「昭和の日」とする法案が国会に再提出されたのは歓迎すべきことです。
*1 ILO第132号条約:http://www.jitan-after5.jp/material/ilo/c132ej.htmに和訳があります。批准により3週間以上の有給休暇(2週間以上の連続休暇を含む)を国内法で保証する義務が生じます。日本は未批准です。
*2 君主制国家:国家元首が世襲制である国家。ここでは民主主義国家かどうかとは別の概念として使っています。共和制の独裁国家も地球上には山ほど存在します。